車輪の下/ヘルマンヘッセ
実家の親の書棚から見つけ、興味を持って読んでみました。
ある町の、非凡な才能を持った少年の成長の過程を描いています。
この少年はハタから見れば、誰もが羨む才能を持っていて、順風満帆と見えています。
が、本人の中では重い悩みに押しつぶされ、色々と苦悩しています。
この少年は、そういった周りの「よかれと思って」という様々な大人の善意の「車輪」に押しつぶされ、悲劇的な結末へ。
主人公の少年には、成長の過程で親友と呼べる少年が一人現れます。
この親友は、主人公の少年とは正反対の性格を持ちつつも、同じように「車輪」に押しつぶされ、違った人生を歩みます。
この小説は、ヘッセ自身の人生を、二人の少年の視点から振り返っています。
どちらの少年も、かつてのヘッセ自身を現しています。
ヘッセ自身は、少年期から「詩人以外にはなりたくない」と考え、ドロップアウトしたタイプの人のようで。
ほぼ自伝と思って読んでいると、考えさせられるものがあります。
現代の、詰め込み教育(そろそろ意味がない事に気付いて変わるかもしれませんが)の犠牲者、または犠牲者を生み出す「車輪」な方々には読んでいただきたいものですね。。。
私が読んだのはかなーり昔の訳。
↓カラマーゾフでヒットを出した新訳版も出てるようなので、そっちも読んでみようかな。
- 作者: ヘッセ,松永美穂
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2007/12/06
- メディア: 文庫
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