雑食DIY

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Michael Jackson / This Is It

ブログ再開後の一本目、何にしようか少し迷いましたが、やはりこの映画だろうと。
少し時期を外してますが、やはりコレは書かずにはおけない。


というわけで、Michael JacksonThis Is It


公開中は、2回見に行きました。
私はマイコー(なんか「マイケル」と書けないので、以下、マイコーで。)の黄金期(80年代)に小学生だったのですが、普通に大好きでして。
体育館でムーンウォークの練習やら、クルッと回って「Who's Bad!」なんて練習をしていたものです。


さて、ここからは少しネタバレします。
劇場公開は終わってますが、DVD見るまで知りたくない!って方はここから先はご遠慮ください。
あまり詳しくは書かないようにはしますが。



冒頭、バックダンサー達のインタビューから始まります。
マイコーと一緒に居れる、というだけで夢みたいという(実際、夢みたいな事だと思う)感じで、目を潤ませるダンサーも。
ずっと見つけられなかった、探していたものがコレだ。とも。


ここから怒涛のリハ記録が流れていくわけですが・・・とにかく凄い。全てが一流。
1曲目から愕然としました。


「これがリハ?」


一流のバックダンサーと一流のミュージシャンによる珠玉のステージ。
その全てを率いるマイコーがまた凄い。


これは、リハ映像を見る事ができて幸運だったと思うのですが、実は細かい所で、マイコーは全て指示を出してるんですね。
「ここは君が出るところだ」
「ここは僕がキューを出す」
あの緻密に構成されたステージを、マイコーは現場で自分で取り仕切ってました。
完成されたステージでは多分わからなかった事だと思います。


見ているだけで引き込まれるリハの映像。
途中まで唖然として見ていた所、とんでもない事に気付きます。


あまりにも統率されたマイコーと、バックダンサーのダンス。
バックダンサーだって世界の一流が集まってます。素人目で見ても体のキレが尋常じゃない。
みんな、鍛え上げられたいい体しています。


ところが、彼らより一回り以上細いマイコーが同じ動きをしている。
キレまくり。
よく考えると恐ろしい事です。
バックダンサーは、多分、20代〜30程度までのアブラの乗り切った状態のはず。


マイコーさん、50歳のはずですよね?おかしくないですか?
本当に同じ人類なのかと疑いたくなります。


さて、リハ風景でもう一つ、驚いた点があります。
周りのミュージシャンが(他のスタッフも)、マイコーに普通に意見をぶつけます。


ミュージシャンが自分のミッションを、より高いクオリティで仕上げようと考えたら自然な行動ではあるんですが、日本人だと多分馴染みのない行動じゃないでしょうかね。
これは結構重要な事だと思います。
誰もがステージのクオリティをより高いものにしたいと望み、その為に自らの意見をはっきり言う、そして、相手の意見も聞いてすり合わせて進めていく。
このサイクルが確立されていて、その中では、マイコーもスタッフも対等に意見する、という事が普通に行われている事が、あのクオリティの源なんだという事が自然に納得できます。


そして、それができるのも、信頼関係があるから。
これは重要です。
冒頭のインタビューでもわかるのですが、バックダンサー、ミュージシャン含め、みんなマイコーが大好き。
これは本当に重要です。


この映画で、凄みを感じると共に、一種の悲しさも感じました。
それは、マイコーが、リハ中も100%マイコーだった事です。


歌やダンスはもちろん、オーディションの選考や、モニターチェックの際も一瞬たりとも隙を見せません。
ステージ上のマイコーと同じ。
常に衣装を纏い、人間臭い行動が全く見られないのです。


バックダンサーや、ミュージシャン、スタッフに至るまで、世界の一流が集まっている現場のはずですが、彼らもまた普通にマイコーの大ファンです。
ここでマイコーの言葉が思い出されます。



「ファンの見たいものをやる」



周りのスタッフに対しても、一緒に仕事を進めながらも、ファンに接するスタンスも完璧に成し遂げる。


こういったプロフェッショナリズム、言葉では理解できますが、実践可能な事と普通思うでしょうか。
この人は一体どれだけの苦労をしてきたんだろうかと思うと、本当に悲しくなります。


そして、今はその苦労から開放されたんだ、と思うと、悲しさの中にも少しホッとする部分もあるのです。


今までありがとう。
R.I.P マイコー